レイ・オジーとITの将来像
Ray Ozzie, Financial Analyst Meeting 2006, July 27,2006
レイ・オジーは現在マイクロソフト社のCSA(Chief Software Architect)を勤め、ビル・ゲイツが同社の将来を託した人間である。彼はまさにIT革命とともに生きてきた人間である。ロータスではロータス・ノーツを開発し、後にIBM社がロータスを買収したのは、ロータス・ノーツがほしかったからだともいわれている。次いで1997年にはGroovenet社を起こし、P2Pのファイル共有ソフトを開発した。そして現在マイクロソフトにおいて技術面の最高責任者になっている。彼が7月下旬にFA相手に行った講演は、きわめて興味深い。
(講演要旨)
・私は、過去25年間、IT革命の中に身をおき、中心的な役割を担ってきた。その間、技術革新によってメインフレーム、ミニコン、PC、ウェブ+モバイルへと媒体は変化してきた。
・この変化は、“価格破壊革命”(cheap revolution、フォーブズ誌のKarlgarrdによる)と捉えることができる:コンピューティング・データ貯蔵・通信のすべての面での急速な価格低下。これの動因はムーアの法則である。
・同時にこの影響は、インターネット・サービスのインフラをなすテラバイトスケールのサーバにも及んでいる。
・また今日では、通信費用が極めて安くなったため、巨大なサーバー+大容量の通信経路+高性能な端末機器の組み合わせが、各種サービスのインフラをなしている。
・したがって今後のITビジネスの根本は、こうしたインフラの上に載るサービスをどのように提供するかが、かぎとなる。インターネットはこうしたサービスのハブである。この動きは、まず消費者市場で進み、次いで中小企業者に浸透し、そして大企業にも普及することになろう。
***原文は、microfoft.comに入り、ray ozzieと検索すれば読むことができる。
(解題)
・・レイ・オジーは、IT革命の立役者の一人であり、その講演内容は、評論家にはない迫力がある。
・大規模なデータセンター+大容量の通信経路+強力な端末、これらのハブとしてのインターネットという見方から、彼は、マイクロソフト社を、インターネット・サービス供給者へと大きく舵を切ろうとしている。たとえばFT紙は、これを「PC時代の終わり」と捉えている(7月27日、“Microsoft’s Ozzie declares end to PC era”)。
・競争相手のグーグルが既存の市場を新技術で侵食する(検索技術、ブラウザ上でのオフィスの使用など)方向で進む以上、それに負けないためには、こうした転換を急速に図ることがマイクロソフトには要求されるだろう。
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