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世界の農産物供給国:ブラジル
Brazil is yielding farms that can feed the world.
By Alan Beattie, FT, June 22,2005

(要旨)
・ブラジルは世界農業貿易で先頭に立ちつつある。
・先週EUは砂糖の維持価格の大幅引き下げを提案した。アメリカは来週末に綿花に対する補助金削減を言明するはずである。両方とも、ブラジルがWTOに提訴することによって実現した。これは戦略的になされたものである。ブラジルはまずこの問題に関するシンクタンクを作り、ついでアメリカの学者と弁護士の協力を得てこれを実現した。
・ 農産物は世界貿易の10%を占めるに過ぎないが、生産の多くが途上国であること、他方で先進国で保護の対象になっているため、ブラジルが鍵を握る国になりつつある。
・インドがビジネス・オフショアリング、中国が製造業に頼るとしたら、ブラジルは農業に依存する。現在ブラジルは砂糖、大豆、オレンジジュース、コーヒー、タバコ、牛肉貿易で世界の1位もしくは2位を占め、綿花、鶏肉、豚肉でもシェアをあげている。
・ブラジルの農業貿易は340億ドルの黒字で、これはGDPの約5%にあたる。
・ブラジル農業には拡張の余地がある。耕地は6200万ヘクタールだが、潜在的には1.7億ヘクタールの耕地を持つ。これは現在のアメリカの耕地と同面積である。
・これまでは沿岸部が使われていたが、今後は内陸部が使われる(マト・グロッソ州)。確かに地味はよくないが、気候は農業に適する。問題はインフラの不足と高金利である。
・ブラジルは単に生産するだけでなく、マーケッティングと流通にも乗り出している。バリューチェーン化が成功の元である。
(解題)
・今世間の目は、石油に向いているが、実は農産物も大きな問題である。
・ブラジルは戦略的に世界の農産物市場を押さえようとしており、これはかなりの成功を収めている。今ブラジルに不足しているのは、資金とインフラのようだが、これは先進国にとっては大きな投資機会になりえるだろう。
・それにしても、日本の農業政策は、世界を見据えていない感じがする。またITのインパクトも視野に入れていない。たとえばBUNGEの行き方を見ればわかるが、すでに農業は、ポートフォリオの一環であり、世界を視野に入れた形での生産・流通チェーンをどのように組むかが、勝負どころになっている。またWTOの戦略的活用も考えに入れる必要があるだろう。
・その意味で、この記事は、ポイントをついており、示唆するところは、大きいと思われる。