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アメリカの経常収支赤字は問題か?
US deficit:it is not only susutainable, it is logigal.
by Richard Cooper, FT Oct31,2004
(要旨)
・アメリカの経常赤字は現在5000億ドルを超えている。これはアメリカGDPの5%にあたる。
・この額はこれまで最大であり、他国の黒字の源泉でもある。
・通常これは、持続可能でないといわれる。しかし私はそれに反対である。
・この問題は世界全体でみる必要がある。
・現在アメリカに対する海外からの投資残高は2.6兆ドルである(2002年末)。これはアメリカGDPの25%にあたる。
・かりにアメリカの名目成長率が5%(実質3%、インフレ率2%としよう。そしてこの赤字がこの水準で続くとする。
・このときアメリカに対する海外からの投資残高は15−16年後にGDPの46%を占めるまでに伸び、以降低下する。
・またこの場合赤字のGDPシェアは低下する。2018年には2.2%程度となる。
・つまり重要なのは、現在のアメリカの赤字の背景には、アメリカ以外で6兆ドルの貯蓄が発生しているということだ。そして欧州や日本では投資機会が無いので、それがアメリカに投資されていることの反映なのである。アメリカはGDP比で世界の25%を占めるが、金融資産では世界の約50%を占める。これはリターンが欧州や日本に比べて高く、かつ安全なためだ。
・さらにインドや中国が発展し、現在のような海外投資規制が無くなれば、この金もアメリカに流れるだろう。そのがくは5000億ドルにも達しよう。
・日本、中国、インド政府がアメリカの国債を買うのは、為替の切り上げを防ぐためである。これは、極端に走らない限り、そう非合理とも思えない。
・たしかに現在のアメリカの赤字はアメリカ国内の貯蓄不足の反映でもあるが、他方で他国における貯蓄過剰の現われでもある。
・急速にアメリカの赤字を減らそうとすると、他国の投資が急に伸びない限り、世界の不況を招くことになろう。
(解題)
・リチャード・クーパーはハーバードの教授で、鋭い分析で知られる。
・今回もいわゆる”世間の常識”に対して、鋭い批判を加えている。
・ここで注目すべきは、(1)アメリカの赤字は世界の貯蓄投資バランスの中で見なければいけないこと、(2)欧州や日本は豊富な投資機会を生み出すべきであること、(3)中国やインドの投資動向に注目すべきこと、などだろう。
・日本に関しては、最近は中国やアメリカの景気に支えられて緩やかな景気回復にあるが、実際のところ、”構造改革”が行なわれないため、基本的に既存の利権に縛られて、大きな再飛躍への道をたどっているとは、とても思えない。
・他方でアメリカは、何らかの強い手段(例:ドル安)に出る可能性がある。するとクーパー教授の警告のように、世界経済に対するかく乱要因となって、日本経済にはダメジが大きく出る可能性がある。
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