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ヘッジファンドによる株式市場の不安定化
P.Woolley, FT, Sept. 27,2004
(要旨)
・株式市場においては、98%の株式は受身のインデックス連動型ポートフォリオが所有している。残りの2%は能動的に運用されており、この2%が株価を決めている。
・つまり現在の株式市場は2極分化しており、少数者の行動が市場を決めている。
・多数のポートフォリオは、インデックス連動型であり、ポジションはロングである。
・他方で、ヘッジファンドはキャッシュとの比較でリターンを見ている。これには投資銀行も加わっている。
・ヘッジファンドの成長は著しいが、資産の額はせいぜい市場の2%にとどまっている。しかし主流のファンドとは運用方針が異なるため、市場での影響力は大きい。
・主流ファンドはインデックス連動型なので、せいぜい年に1-2%のリターンが稼げればよい。
・ヘッジファンドの投資方針はまったく異なる。彼らは特定の市場に乗り込み、インデックスとは自由に動き、短期的なリターンを狙い、ショートポジション・レバレッジ・デリバティブを多用する。
・1980年代、90年代のブル市場では、インデックス連動型は当然の戦略だった。しかし2000年のバブル崩壊後、ヘッジファンドは戦略を変えた。
・いまやヘッジファンドは市場の値決めに大きな役割を果たしている。
・それは、ヘッジファンドがレバレッジやデリバティブを利用することで、その影響力を増幅していること、資金の回転が速いことによる。英米の株式市場では、現在市場取引の4−7割が彼らの活動による。
・ヘッジファンドは非効率かつボラタイルな市場を狙う。これは市場の効率性向上に長期的には役立つはずだが、短期的には市場の不安定性を高める。これに個人投資家が乗るため、さらに市場の不安定性は増す。
・市場が不安定化すると、資本の長期的配分の効率性は阻害される。
・現在の状況が続けば、市場の不安定性と非効率性は拡大するだろう。
(解題)
現在日本でも、デイトレーダーの動きがやや批判的な目でみられている。しかしこの論文を読むと分かるように、これは世界の傾向である。ただし日本には世界で戦えるまともなヘッジファンドが無く、その代わりに日本市場でデイトレーダーがヘッジファンドと似た行動を取っているわけだ。
こうした市場で将来何が起こるか、誰が勝つかを見極めるのは難しいが、少なくとも日本の既存の大証券が市場を抑える時代は間違いなく終わったといえよう。
残るのは、外国のヘッジファンドか、それとも日本から育って世界市場で活躍するトレーダーか。
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