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世界の新興国にとって歴史的なチャンス

Historic chance for the world's emerging economies
by M. El-Erian, FT Dec. 2,2004

(要旨)
・新興国の勃興は、世界経済の脆弱性の原因ではなく、げんざいではむしろ安定要因になりつつある。
・世界がアメリカだけに依存する状態から抜け出すにはよい時期だろう。
・最近の新興国の勃興は、一時的なものではなく、持続可能である。これらの国は、経常収支が黒字、外貨準備が積み上がる、政府債務が減少、国内成長条件の改善といった状態にある。
・新興国の範囲は、アジアにとどまらない。たとえばブラジルは、上の条件を満たしている。ロシアも債権国となり、外貨準備は1200億ドルに達している。
・いまやこれらの国は、世界の貿易成長、物価安定、金融取引に重要な役割を果たしつつある。PPPで計れば、こうした国のGDPは世界の半分にもなる。


・これはよいときに生じた。なぜなら、これまでアメリカは、世界経済の牽引車となってきたが、それは家計の債務増加、財政赤字、経常収支の赤字という犠牲の上に成り立っており、それがいつまでも続くわけではないからだ。
・ただし新興国が、世界経済の安定に寄与するためには5つの条件がある。
1)新興国の発展にはばらつきがあり、それがまとまって強くなること。
2)新興国は短期資本移動によってあまり振り回されないようになること。
3)新興国の世界経済における役割を既存の大国が認めること。
4)アメリカが苦境をうまく抜け出せるよう、新興国との間で政策提携ができること。
5)G7などがこうした新興国を出席させ発言の場を与えること。

(解題)
・ここには日本は引用されていないが、要するに世界経済の担い手が、欧米や日本のような既存経済大国から、いわゆるBRICSのような新興国に移りつつあるという現状が指摘されている。既存の大国は、なかなかこうした変化を認めたがらないが、それが歴史の流れというものだろう。日本が先頭を切って、こうした変化に対して、新興国の発言の場を作るようであれば、それなりの尊敬を勝ち取ることもできるのだが。